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普通を極め、普通を愛した学生による雑記ブログ

【全国都道府県対抗男子駅伝 2018】出場チーム戦力分析(区間エントリー前)

 全国都道府県対抗男子駅伝が、2018年1月21日(日)に広島県広島市平和記念公園を発着に行われます。全国47都道府県の代表チームが襷を繋ぐレースです。

詳細はこちらをご覧ください。

www.hiroshima-ekiden.com

 

全国規模の駅伝大会といえば、京都の都大路を舞台として行われる「全国高校駅伝」、お正月に行われる「実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)」、名立たる駅伝大会の中で最も注目を浴びる「箱根駅伝」の3つが主に挙げられます。なんとなく毎年テレビを通じて、これらの駅伝大会を視聴する習慣がある家庭も多いことでしょう。

それらに比べて知名度が少し落ちるのが、「都道府県対抗駅伝」ですが、この駅伝に寄せられる関心が世間的に低いのは非常にもったいないと感じています。なんといっても、先述した3つの駅伝を1つにまとめた豪華な駅伝大会であることが都道府県対抗駅伝の最大の魅力です。高校駅伝で活躍した将来性のある高校生、箱根駅伝で注目された大学生、実業団駅伝で目立った一流ランナーたちが一堂に集結するのです。

私が一年を通じて最も楽しみにしている駅伝中継です。箱根駅伝よりも見応えのある駅伝だと自信を持って言えます。

 

私事ですが、今後、このブログを通じて、陸上競技や駅伝を語っていこうと考えております。その第一歩として、都道府県対抗駅伝について取り上げていこうと思います。

 

ここからは、この都道府県対抗駅伝を心の底から愛しており、7年連続でNHKの中継を録画保存している筆者が、2018年のレースの展望をしていきたいと思います。

 

 

1 出場選手情報雑感

まずは、先日発表された出場選手情報から、注目したい10チームをピックアップします。

 

福島

学法石川高勢を中心に力のある選手が揃いました。一般(大学生・社会人)からは、全日本1区区間賞・箱根2区3位の相澤(東洋大),ニューイヤー1区区間賞の遠藤(住友電工)と、勢いのある2人を選出。3区(8.5キロ)に遠藤、7区(13キロ)に相澤がエントリーされるでしょう。このコンビはかなり強力かと思います。特に遠藤は昨年高校を卒業したばかりで、一線で活躍する大学生と社会人に対しどこまで戦えるのか注目したいです。その3区で待つ遠藤にいい位置で襷を渡すために、1区(7キロ)の高校生の走りはかなり重要になります。学法石川高の半澤と芳賀が候補ですね。5千メートル13分58秒のベストタイムを持つ半澤に1区を任せたいところですが、高校駅伝の1区で区間20位に沈んでいることが気がかりです。芳賀も5千のベストが14分12秒ということなので、芳賀が1区、半澤が5区(8.5キロ)でも大丈夫そうですが。3キロ区間を担う中学生2人も力があるだけに、高校生の走りが命運を分けるでしょう。

 

茨城

高校生に力のある選手が揃いました。5千のベストが13分56秒,高校駅伝1区5位の鈴木(水城高)、高校選抜1万メートル8位の湯原(水戸工)、高校駅伝3区16位の方根(水城高)ら3人はそれぞれ区間上位で走れるでしょう。その中でポイントになると私が考えているのが一般区間の3区です。7区は箱根2区区間賞の森田(青学大)がいますから万全です。3区は旭化成の出口または城西大の中島のどちらかですが、他チームと比較すると両者とも少し力が劣ります。出口は近年結果を残せていませんし、中島も全日本3区12位,箱根3区13位と、あともう一歩という印象。3区は苦戦が予想されますが、4区からの後半区間は強力な布陣が組めそうなだけに、上位近くで粘りたいですね。

 

群馬

優勝を狙えるメンバーを揃えられたと言いたいところですが、5千のベスト14分3秒の千明(東農大二高)が、おそらく故障で走れない状況です。優勝を狙う群馬県チームにとってはかなり痛手です。ですが、代役となる高校生3人も力が無いわけではないので、昨年に引き続き入賞は狙えそうです。それに加え、一般区間を担う大学生3人はトップクラスの力を持っています。1万のベスト27分台の塩尻順天堂大)、箱根1区区間賞の西山(東洋大)、スピードのある横川(中央学院大)ら3人は非常に期待できます。7区は塩尻で間違いないでしょう。個人的には3区で西山が見たいです。福島の遠藤と同様に、どこまで走れるかとても気になります。箱根では驚異のスタミナとスピードを見せてくれましたからね。ぜひもう一度再現してほしいです。

 

埼玉

優勝候補筆頭でしょう。一般区間には、駅伝ではめっぽう強く、日本を代表するランナーである設楽(ホンダ)。さらには、近年急速に力をつけており、1万のベスト28分17秒を持つ牟田(日立物流)が入りました。7区での逆転優勝を十分に見込めるため、牟田がどの位置で襷を渡すかが重要になります。と言ったのも、高校生の力が他の優勝候補である長野や兵庫と比較すると少し劣るからです。東農大三高の橋本、埼玉栄高の宮坂と白鳥が出走するでしょうが、この3人の5千のベストは14分19秒~23秒の間に固まっており、1区や5区でタイムを稼ぐことが難しいです。なんとか凌いで3区の牟田と7区の設楽に命運を託すという形になるでしょう。おそらく、設楽に襷が渡る時点では1位とのタイム差がそれなりにあると考えられるので、優勝を狙って爆走する設楽を見ることができます。駅伝ファンにとっては楽しみな展開になるでしょうが、埼玉県チームにとっては最初から最後まで気の抜けないレースになるでしょうね。

 

千葉

一般、高校生、中学生すべての世代で穴の無いオーダーを組めそうです。一般区間の3区には、5千のベストが13分28秒,日本選手権5千優勝のスピードランナー松枝(富士通)、7区には、箱根1区5位の鈴木(青学大)または柳(日立物流)が控えます。高校生区間には5千のベスト14分一桁から20秒のタイムを持つ選手を揃えられそうです。さらには、中学生区間の2区には中学駅伝1区区間賞の野島(白山中)を配置できます。松枝が本来の力を出し切れば、3区終了時にトップに立つ可能性もありますし、こうなると、7区アンカーを走る選手がカギになるでしょう。鈴木がどこまで粘れるかでしょうかね。個人的には、箱根7区で区間新を出した林(青学大)をここで見たかったのですが、鈴木も林と同等の力を持っていると思うので期待したいです。

 

東京

個人的にダークホースになると考えているのが東京です。一般と中学生が強力です。3区にはニューイヤー1区9位の茂木(旭化成)、7区にはユニバーシアードハーフ優勝、箱根1区3位の片西(駒澤大)と、若手の実力者が揃います。この二人はレースで持ちタイム以上の力を出すことができるのが強みで、周囲の選手に臆せず攻めの走りをすることができます。要は自分が好きな選手ということです(笑)。どこまで順位を上げられるか期待したいです。中学生は全中3千3位の石塚(町田南中)、全中1500メートル5位の鍛冶(足立十一中)がいます。両者ともに3千のベストが8分30秒台ということで、他チームと比較しても十分に上位で戦えます。こうなるとカギは高校生です。(*都道府県駅伝は高校生の走りが結果に左右することが多い)出走が予想されるのは、5千のベスト14分10秒の佐久間(国学院久我山高)、同ベスト14分18秒の手島(国学院久我山高)、同ベスト14分30秒の嶋津(若葉総合高)の三人でしょう。佐久間と手島が他チームの高校生にどこまで食らいつけるかがポイントです。両者とも高校駅伝では1区42位、3区21位と、いまひとつな結果に終わっていますので、ここでその悔しさを晴らしてほしいです。1区がうまく流れれば、上位が十分に狙える布陣です。

 

長野

昨年優勝の長野。暮れの高校駅伝佐久長聖高が久々に優勝したこともあり、二連覇を十分に狙えるオーダーが組めると当初は思っていたのですが、一般選手の力がやや落ちることが気がかりですね。選出されたのは、矢野(日清商品),春日(東海大),關(東海大)です。關が万全なら面白かったのですが、故障で箱根を欠場しており、本大会で走ることは不可能でしょう。昨年3区を区間8位でまとめている春日に期待したいところですが、箱根4区で区間12位に終わっており、ベストの状態では無さそうです。さらには矢野もニューイヤーで6区21位に沈んでいます。この3人以外の選手が呼ばれて出走する可能性もありそうですねえ。佐久長聖高の3人が盤石なだけにもったいないですから。仮に3区を春日、7区を矢野が走るとすると、それ以外の区間で貯金を貯めるしかないです。高校生区間はおそらく1区には、都大路でも1区区間賞の中谷、4区(5キロ)に松崎(高校駅伝3区7位)、5区に本間(同4区区間賞)が配置されるでしょう。ですが、7区での逃げ切りを考えた場合、1区に松崎、4区に本間、5区に中谷を置きたいところです。中谷を5区に置けば、30秒ほど(目安)の貯金が見込めますし、他チームからすれば、1区に置くよりも脅威に感じるでしょう。本間は昨年4区で区間賞を獲得しているので、その経験を生かしたいところ。そして、このオーダーの肝は1区の松崎ですね。松崎を1区に置けるかどうかということです。高見澤監督の判断次第ですが、優勝を狙うならこの配置がベストな気がします。松崎が先頭と20秒以内くらいで走ることができれば、優勝に近づくと思います。果たしてどのようなオーダーを組んでくるのか、20日(土)の区間エントリーが楽しみです。

 

愛知

二年前に優勝、昨年3位の愛知ですが、今年も上位を狙えそうです。一般には、昨年3区2位の素晴らしい走りでトップで4区に繋いだ山口(愛三工業)、ニューイヤー3区6位の田中(トヨタ自動車)、今年の大学三大駅伝すべて1区で区間上位で走っている山藤(神奈川大)の3人です。3区は昨年同様に山口でしょうが、7区を走るのはどちらか。現実的に考えれば、田中でしょうが、個人的には山藤に走ってもらいたいですね。駅伝ファンもそれを望んでいるかと思います。と言うのも、ここで改めて振り返ることはしませんが、山藤自身がこの大会で悔しい思いをしているからです。ぜひ7区で勝負してほしいですね。そうそう出場の機会が巡ってくることもないですし、今年度波に乗っている山藤に賭けたいです。監督の佐藤さん(トヨタの監督)はそういう情のある監督だと信じています。高校生区間は昨年1区の経験もある蝦夷森(愛知高)を中心に凌ぐ形になるでしょうが、中学生2人は強力です。昨年のように、3区で山口が上位に押し上げることができれば、上位に入れるでしょう。

 

兵庫

毎年中高生に強い選手が揃う兵庫ですが、今年もその傾向は変わらず、優勝争いは難しいかもしれませんが、入賞争いには絡んでくるでしょう。高校生区間には高校総体5千12位,5千の持ちタイム13分57秒を持つ三浦(西脇工)、高校駅伝地区予選で西脇工を破り、都大路でも8位入賞を果たした須磨学園から、井上(高校駅伝1区13位)、大西(同3区8位)、目方(同4区6位)と、力のある選手を4人揃えてきました。高校駅伝の長距離区間で結果を残している選手が3人もいるのが心強いです。4人どの選手が出走してもきっちりと区間上位で来るでしょう。中学生区間は、例年ほどではないですが、3千の自己ベスト8分39秒を持つ嘉多村(鹿島中)がおり、2区はしっかりと流れそうです。一般は住友電工の高田と村本、SUBARUの廣田の3人です。今年のニューイヤーの個人結果から、3区に高田、7区に村本が入るでしょう。ニューイヤーの結果を見ると、高田は3区9位、村本は4区11位と、きっちり結果を残してます。区間賞争いは厳しいと思いますが、区間一桁順位で走ることは十分に可能でしょう。一般区間の2人を含め、全ての選手が力を全て出し切れば、ひょっとするとひょっとするかもしれません。アンカー勝負になると分が悪いので、高校生区間の4区5区で後続との差を広げておきたいです。

 

福岡

優勝争いは厳しいと思いますが、ここで挙げておくべき選手がいます。今年度1500と3000で中学新記録を樹立した石田(浅川中)です。昨年の都道府県駅伝でも林田(長崎・現瓊浦高)が、区間新記録を叩き出し一躍注目を浴びましたが、その林田の記録をさらに上回ることが期待されます。何人の選手を抜くのか注目です。2区に登場するでしょうから、1区でいい位置で石田に渡したいです。その1区には5千の持ちタイム14分30秒台の森(福岡大大濠高)または島崎(大牟田高)が入るでしょうから、ここはなんとか粘りたいです。一般区間には3区に高井(九電工)、7区に高橋(安川電機)が配置されるかと思います。昨年3区区間賞の鬼塚(東海大)を呼べなかったのは痛いですね。高橋はニューイヤーの4区で区間9位で走っているため、ある程度計算できますが、高井は未知数ですねえ。都道府県駅伝で高井が出場するときは、解説の宗さんが「高井はハマると物凄いけどハマらないとダメ。」と嬉しそうに言うことが恒例になってますが、都道府県駅伝でハマった高井を見たことがほとんどありません。高井がハマれば、最終7区までうまく流れ、入賞も見えてくるかと思います。

 

 

2 順位予想(現段階)

区間エントリー前の現段階での順位を予想しておこうと思います。

1位 長野

2位 埼玉

3位 東京

4位 群馬

5位 愛知

6位 兵庫

7位 福島

8位 茨城

です。今のところは自分の感覚で決めました。優勝争いは終始、逃げる長野追う埼玉という形で進むと思います。3位に東京を置いたのは賭けです。どのメディアも上位に来ることを予想してないと思います。ここで一発予想を当てて自分の洞察力が確かなことを証明したいと思います。笑

 

ここまで10チームの戦力を分析と順位予想をしてきました。想定以上に長くなったため、この辺りで終わろうかと思います。区間エントリーの発表はレース前日の20日(土)です。この区間エントリー次第では順位予想も大きく変わってくるので、また20日にレース前日の最終予想をアップします。

 

区間エントリー後のレース展望と順位予想

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