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【全国都道府県対抗男子駅伝 2018】 結果・レース総括

全国都道府県対抗男子駅伝が21日、広島市で行われました。

この記事では都道府県駅伝の結果とレース総括を書いていきます。
 
レース前にアップした「戦力分析」と「レース展望・順位予想」も良ければ一緒にご覧ください。結果と比較して見ていただけると面白いかと思います。

結果

 
総合結果詳細

http://www.hiroshima-ekiden.com/information/pdf/record23.pdf

埼玉が3大会ぶり2回目の優勝を飾りました。前回覇者の長野が2位、千葉が過去最高の3位に入りました。

結果的には最終7区の5キロ過ぎで埼玉の設楽が長野の關を逆転し、長野に46秒の大差をつけての優勝でした。
このレースの前に1位から8位まで順位予想をしていたのですが、すべて外してしまいました。優勝争いは概ね予想通りに進んでいったのですが、順位の予想までは読めなかったです。また、3位以下に関しては下馬評の低かったチームの躍進もあり、予想とは全く違う展開になりました。そのあたりも含めて、各チームごとに総括をしていきます。
 
 

チームごとの総括

 
優勝 埼玉
1区から7区まで埼玉のレースプラン通りに進んでいきました。完勝と言っていいのではないでしょうか。逆転優勝のためには設楽に先頭と50秒以内に襷を繋ぎたいと考えてたようですが、その予想をいい意味で裏切る、13秒差ということで、この時点で埼玉が優勝すると確信できました。最も不安視していた1区ですが、橋本が先頭と15秒差の区間10位の素晴らしい走りで、いい流れを作りました。2区分須も力通り区間6位で走り、3区の牟田は集団での争いの中粘りの走りをみせ、6位で襷を繋ぎました。その後の4区5区6区がそれぞれ区間4位・6位・1位と、流れを切らさず、7区設楽に最高の位置で繋ぎました。中高生5人すべて区間一桁で走っていますから、中高生の走りが結果的に大きかったと埼玉の関係者も感じているでしょう。設楽の区間記録にあと3秒に迫る走りも含め、7人全員の力をあわせての優勝でした。見事でした。
 
2位 長野
2連覇を狙える力を十分に持っていただけに悔しい結果となりました。故障明けの7区關に大きな負担をかけてしまうレース展開となってしまいました。1区松崎は先頭と4秒差の区間2位の走りで好スタートを切りましたが、2区伊藤,3区春日がいまひとつでした。3区終了時点で先頭と27秒差の11位ということで、もう少し前でレースをしたかったです。4区本間5区中谷の区間賞の走りで優勝に再度近づいたかと思いましたが、6区越がまさかの区間29位に沈み、ここで区間賞を取った埼玉に32秒も詰められました。中学生を責めることはできないですが、結果的にここが勝負の分かれ目でした。7区關は万全な状態ではない中、区間5位で走り意地を見せました。設楽のタイムとの差がちょうど1分ほどだったので、当初の想定通り1分差を広げていれば、と考えてしまいます。關は設楽の持つ力を近くで痛感したでしょうから、今年さらに力をつけて、来年リベンジに期待したいです。
 
3位 千葉
従来までの最高順位5位を更新する過去最高の3位を取ることができた千葉。5区で高校一年生の佐藤が6人抜きで順位を4位に押し上げたことが大きかったですね。これで入賞はもちろん、一時は先頭も見える位置に来ました。7区鈴木も終始単独走でしたが、力通りの安定した走りを見せました。前半区間では、3区松枝の走りが上位進出のカギになると思っていましたが、区間3位の好走を見せました。すべての選手が持っている力を出し切ったことで、よい結果につながりました。 来年以降は優勝を狙っていきたいです。元々、八千代松陰高や市立船橋高,流通経大柏高など、駅伝に力を入れている高校が千葉県には多いだけに、今後も十分に期待できます。
 
4位 福岡
都道府県駅伝では毎年上位に来る福岡ですが、その伝統の力を発揮しました。今年は入賞も厳しいかと思っていましたが、最終的には4位ということで、関係者もこの結果には万々歳ではないでしょうか。特に2区の石田が印象に残りました。以前から期待していたのですが、2区3千メートルを8分14秒の驚異的な区間新記録で走り切り、順位を22位から7位にあげました。テレビ中継で石田の走りを見れたのですが、そのスピード感がまるでアフリカ系の選手のに見えるほど、他の選手に比べて圧倒的でした。8分14秒は今後もう破られない記録になるでしょう。今後は郡馬の東農大二高に進むようです。これから日本を背負って立つ選手に成長していってほしいです。その他では7区高橋の区間3位の走りも大きかったです。順位を10位から4位にあげました。
 
5位 郡馬
優勝を狙えただけにもったいない結果となりました。まず1区大澤が先頭と44秒差の区間27位と、持ちタイムからするともう少し前で襷を渡したかったところです。2区でも25位に順位を落とし、これはもう入賞も厳しいかと思いましたが、3区塩尻区間2位の素晴らしい走りで15人を抜き、9位までジャンプアップしてきました。やはり10キロ未満では強かったです。その流れで上位に行きたかったのですが4区栗原が12位に順位を下げてしまいました。4区は5位~11位が集団でいたのですが、ここから離されてしまったのが最終順位にも影響しました。5区千明は区間6位で粘り、7区西山も区間2位の走りで12位から5位に順位を上げました。もう何年も連続で入賞をしてきているだけに、来年以降は優勝を狙ったチーム編成をしたいところです。
 
6位 山口
駅伝はやはり流れが大事だと、山口の躍進を見て改めて感じました。1区は区間26位と苦戦しましたが、2区で17位に順位を上げ、3区田村が17位から3位に順位を押し上げる区間賞の激走をみせました。青学大の原監督から駅伝男と名付けられるだけの実力を遺憾なく発揮しました。ここで作った流れを 高校生区間の4区5区も区間15位でなんとか引き継ぎ、 7区野田の区間8位の好走もあり、6位でゴールしました。8位入賞ラインが終始集団で動いていったレース全体の展開も味方しました。田村の3区でのごぼう抜きは都道府県駅伝の風物詩になっていくかもしれません。
 
7位 神奈川
神奈川も山口と同様にサプライズ入賞でした。過去最高順位も更新したようです。1区で11位の好スタート後、2区で15位に順位を落としましたが、3区舘澤が区間4位の走りで12位に順位を上げました。その後の4区5区6区の中高生の走りが入賞を決定づけました。4区谷澤が区間6位の走りで順位を8位に上げ、5区鎌田が区間3位の殊勲の走りで3位まで押し上げました。6区安澤も順位をキープし、7区越川がなんとか7位で入賞を勝ち取りました。4区5区の高校生次第で順位が大きく変動する都道府県駅伝の傾向は今年も変わらずでした。
 
8位 茨城
レース終盤まで主導権を握ったのが茨城でした。1区2区の湯原と五十嵐が力通りの走りで流れを作ると、3区森田が前を行く熊本を捉えてトップに立ちました。4区鈴木も5千のベスト13分台の力を発揮し、2位に21秒差をつける区間2位の走りを見せました。この3区4区がかなり強力だと思っていたため、4区終了時点では茨城が先頭に来るのではと予想していたのですが、その通りになりました。5区片根が先頭を長野に譲るものの、区間11位粘り、最終7区に入る時点では2位につけていたのですが、出口が区間30位に沈み、8位にまで順位を落としてしまいました。なんとか入賞は確保できましたが、いい流れで終盤まで来ていただけにもったいなかったです。来年以降、さらなる飛躍を期待したいです。
 

その他の上位候補だったチーム

 
9位 福島
7区を予定していた相澤が急遽変更になったのが結果的に痛かったです。1区半澤、3区遠藤の走りは見事でした。
 
10位 東京
個人的にダークホースに推していたのですが、不安視していた1区で25位に沈み、終始厳しい戦いになりました。一般区間の茂木と片西は両者ともに区間一桁順位で入ってきました。さすがでした。
 
17位 兵庫
3区28位、7区36位と、一般区間が足を引っ張る結果に。5区三浦は10人抜きの区間2位で走り、下位に沈んだ中でも健闘しました。
 
18位 愛知
1区20位は想定内でしたが、2区で順位を上げられず。もう少し前に行きたかったです。3区山口は6人抜きで健闘しましたが、4区24位、5区36位で一気に22位まで順位を落としました。ただ、7区山藤が頑張り、18位まで順位を上げました。山藤が無事に走り切ることができて本当によかったです。スッキリしたでしょうね。これからも応援していきたい選手です。